「”ヒール”の訓練の仕方」(犬のしつけ-海外編6)(アメリカのK-9,警察犬のトレーニング)
- 今回紹介するビデオは”Dog Training by K9-1.com”のビデオをクリップして利用します。
- 警察犬、護衛犬、警備犬、その他のK-9向けトレーニング方法を紹介しているアメリカのYouTubeチャンネルです。
- ビデオは1分以内にカットされています。
- ビデオの下に日本語の解説を付けています。
- 今回トレーニングを受けるのは黒い子犬の「ジプシー」です。
- 犬種は説明が無いですが、ダッチ・シェパード(Dutch Shepherd)でしょうか?
- ★子犬のトレーニングですが、子犬に必要な基本トレーニングを終わった状態で「ヒール」のトレーニングを行っています。
K-9とは?
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「K-9」という呼び方は、英語の「canine(犬)」に由来しています。「canine」という単語は「ケイナイン」と発音され、その音が「K」と「9」に似ているため、略語として「K-9」が使われるようになりました。この表記は、警察犬の役割や機能を強調するためにも広く使われています。
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「K-9」という表記は、主に警察犬に対して使われますが、他の公的機関で働く犬にも使われることがあります。たとえば、軍用犬、救助犬、捜索犬、麻薬探知犬、爆発物探知犬など、特定の任務を遂行する訓練を受けた犬にも「K-9」という表現が用いられることがあります。
今回のタイトルは「犬へ”ヒール”を教える方法」
- この「ヒール」の正確な意味は案外むずかしいのですが、英語の定義を調べたところ、「飼い主の左側に、飼い主と同じ方向を向いて、居続けることを指示するコマンド。飼い主が止まっている場合は、犬は左側で座る。」
- つまり、飼い主が歩いている場合は、犬は飼い主の左側にぴったり付いていっしょに歩くことになります。色々なトレーナーの説明を総合すると、散歩の間に常に「ヒール」させるということでは無いようです。
- ※上のイラストはワンちゃんが人間の右手側に立っていますが、ヒールの原則は人間の左手側です。但し、これはあくまで原則なので、右手側にヒールさせたければ、右手側でトレーニングしても構わないとのことです。
- ★「ヒール」の解説を読んでいると「人間の横に付けばOK」という説明もありますが、このビデオでは、文字通り「ヒール」(足のかかと)の後ろに「犬が静止して座る」又は、「追って歩く」という原則通りに説明しています。
止まった状態で行うヒールの基本姿勢(ステップ1)
「ヒール」の簡単な説明
- 「ヒールとは犬の前足があなたの左足のかかとより前に出てはいけない位置を指します。」
- 「おやつ、又は、おもちゃを使って、犬が正しい位置に入る度にご褒美のを与えます。」
静止位置につける「ヒール」
★「最初のステップは、静止位置に付けるヒールです。これは、あなたの左足のかかとのすぐ後ろに犬を座らせることです。」
- まず、犬と向き合った姿勢で始めます。
- 左手には犬のおやつを握っています。
- 左手のおやつを犬に見せます。
- 左腕を弧を描くようにして外に回し、後ろ側で、少し手を持ち上げて止めます。
- おやつに付いてきた犬が自分の後ろ側に来て静止したことを確認し、その位置のまま手の中のおやつを犬に食べさせます。
犬が正確な位置に止まっていない場合
- もし、犬が正確な位置に止まっていない場合は、犬の方を向き直し、再度対面姿勢になった後、再度同じ動きをします。
大きい犬の場合(胴体が長い犬の場合)
- もし、ジプシーよりもっと胴体の長い犬の場合は、左腕はもっと大きな弧を描くようにして回さないといけない。
あなたの後ろに回り込むのが苦手な犬の場合
- もし、犬があなたの背後に回り込むことをためらっているようであれば、左腕を回すと同時に左足を1歩後ろに下がり、後ろに移動するようなしぐさ見せながら腕を回すと犬をあなたの背後に誘いやすくなる。
- 犬が戸惑いながらあなたの後ろ側に回ると、最初は静止位置に来ても座らない可能性がありますが、気にしないようにして、動作を繰り返せば、座れるようになります。
- 犬が静止位置で座れるように慣れば、Step 1 は合格です。
「ヒール」に動きを加える(ステップ2)
静止位置で座れるようになれば、次は動きを加えます。
- 最初は1歩だけ前に歩いて止まります。
- 小さな動きを加えることから始めて、次第に動きを加えます。
- 左手は背後で後ろ向きにしたままにして、犬におやつが見える状態で前に進みます。
- この左手を背後に構えることにより、犬があなたの後ろから前に来ないようにさせます。
気が散りやすい犬はリードを付ける
- 気が散りやすい犬の場合はリードを付けてトレーニングをしましょう。
- しかし、リードを引っ張るのは遠くに行ってしまいそうな場合にのみ。
- ヒールの静止位置に付けるためにリードを使ってはいけません。
ヒールの時間を長くする
- まず、歩きながら、ヒール位置で犬に数秒ごとに犬におやつを連続的に与える練習をします。
- 犬がヒール位置で付いてきていることを確認しながら「グッドガール」と繰り返し褒めながら、正しい位置でおやつを連続的に与えます。
犬が付いてこなくなったら
- 犬が付いてこなくなっても、おやつを使いながら犬を正しい位置に呼び戻すようにする
- おやつを与えるタイミングに注意。犬が正しいヒール位置に来たことを確認して、おやつを与えるようにしましょう。
- おやつを与えるタイミングを少し伸ばしながら5秒から10秒の間で犬が付いてくるようになれば、次のステップです。
「フリー」を教える
★「フリー」コマンドは大変重要なコマンドです。
- 犬が「ヒール」コマンドの状態を長時間続けるのは簡単では無いので、どこかのタイミングで楽にしてあげる必要があります。
- 「フリー」コマンドでおやつを与える際はビデオのように左手を体の前にさっと出して、その位置に犬が来たことを確認して、おやつを与えています。左手を前方に解き放つようなイメージです。
- 特にトレーニングの最初の頃は早めにこの「フリー」コマンドを出して、犬を楽にさせてあげて、成功体験を多くさせることが大事なようです。
- ※訓練の身についた犬ほど、「おすわり」や「待て」のコマンドが出たら、「フリー」コマンドが出るまで、そのままの姿勢で止まったままになっています。
- ※トレーナーの中には「フリー」の代わりに「ブレイク」という人もいます。
ペースを変化させたり、向きを変えたりする
★早く歩きながらヒールさせたり、左右に歩く向きを変えたりしながら、色々なバリエーションでヒールをさせる練習を行う。
「フリー」コマンドがいかに大事かが理解できるビデオ
★最後に「フリー」コマンドがいかに大事かが理解できるビデオを紹介します。
- トレーニングが非常にうまく出来たラブラドールのワンちゃんの例です。
- ポイントは「Sit」(おすわり)や「Down」(伏せ)のコマンドが出たら、フリーコマンドが出るまで飼い主の顔を見ながら同じ状態を維持すること。
- もう一つのポイントは「フリー」(ここでは「OK」と言っています)のコマンドは警察犬の場合と同じように手で前に解き放つようなジェスチャーをすることです。今回は実際におやつを前に投げています。
- 次のコマンドを待つ間、しっぽを振って、ワンちゃんが楽しそうなのが良いですね。
以上、モズモズでした。